テンカラエディトリアル【街と渓】
もともとは日本の川の職漁師の漁法であったと言われるテンカラ。
手返しがよくシンプルな道具で始められる釣りは、早く起きた休日のスタートに、仕事終わりの夕マヅメにと、日常生活の中に気軽に取り入れられるのではないかと思う。
初回の今回は、そんなテンカラとの接し方について書いていこうと思う。
店舗のある長野県諏訪市は八ヶ岳と南アルプスに囲まれた街で、伊那谷や木曽、大町までも1~2時間ほどと、街と渓との距離感が近い街だ。
自分で巻いた毛鉤で魚が釣れたときの感覚は、何度体験しても良いもの。『テンカラは難しい』と言われる方もいると思うが、僕はたくさんの人にその感覚を感じてほしいと思う。
先にも書いた通り、様々な環境の河川へのアクセスが容易で、市街地を抜けた先にある川、キャンプ場内を流れる沢、本格的な山岳渓流と、バラエティに富んだ状況下でテンカラを楽しんでいる。
しっかりと一日中竿を振り続けるというよりは、数時間だけ竿を出す。
これが可能なのは、手返しがよく、答えが速く返ってくるテンカラだからこその楽しみ方だと思う。
心がけていることは、『楽しむこと』それに『自然に溶け込むこと』。
同行者がいる場合は、途中途中休憩を挟みながら先行をチェンジしていく。釣果の左右はもちろん大事。感覚として、その日その渓に溶け込めているかで釣果が変わるような気がしている。焦って先に先にと前のめりに遡行している時は、大概毛バリが枝に引っかかったり、魚に気づかれてしまったりする。逆に釣果が安定している時は周りの環境に馴染めているのが自分でも分かる。
この感覚がたまらなく好きで、テンカラを続けているのかもしれない。
解禁まであとひと月。